杏里(ANRI)--『悲しみがとまらない』作詞:康珍化、作曲:林哲司、編曲:林哲司・角松敏生
「
悲しみがとまらない」は、1983年11月5日に発売された
杏里の14枚目のシングルで、オリコンチャート最高4位となり42万枚を売り上げた、
杏里の代表曲です。
当時人気のTBS系『ザ・ベストテン』では、この「
悲しみがとまらない」は、第308回が放送された84年1月5日に第10位でベストテン入りし、最高3位となって9連続でベストテン入りをしています。
ちなみに、この「
悲しみがとまらない」は、84年のオリコン年間シングル売上げ第19位に記録されています。
この曲の編曲家のひとりである角松敏生の述懐によると、杏里と当時同じ事務所に所属し、かねてから杏里のアルバム制作にも関わっていた縁でプロデューサーを任せられた。「『CAT'S EYE』の一発だけで終わらせずに、それに続くヒット曲を」という至上命令のもと、当時一部の若者層だけにウケていた自身や杏里の制作スタイルでやったような作詞・作曲・編曲をすべて自分自身で賄うことはせず、幅広い層にウケてもらうようにと、角松敏生が思う当時の歌謡ポップス界において旬の作詞家であった康珍化と作曲家であった林哲司に依頼し、彼らに「友達に彼氏を奪われてやるせなくなると云々」という詞世界とそれに合わせた曲調を説き、角松敏生自身はプロデューサーに徹したという。
この戦略は功を奏し、チャート的には『CAT'S EYE』を凌げなかったものの、見事に連続ヒットを打ち上げた。そして、現在ではスタンダードソングとしても親しまれている。後年、プロデューサーとしても活躍する角松敏生にとっても、その音楽活動を読み解く上で欠かせない曲である。杏里本人も「『CAT'S EYE』よりもこの曲が好きでとても気に入っている」と当時のプロモーション時に語っていた。
悲しみがとまらない:歌詞