グレープ(さだまさし)--『精霊流し』「精霊流し」(しょうろうながし)は、1974年4月25日に
グレープがリリースしたシングル曲である。後にヴォーカル担当の
さだまさしが自伝的小説として書き下ろし、テレビドラマおよび映画化された。
作詞:さだまさし、作曲:さだまさし、編曲:
グレープさだまさしのソロデビュー後は、自身のアルバム
『帰郷』などにてセルフカバーした。
タイトルにある通り、毎年8月15日にさだの故郷である長崎県長崎市で行われる精霊流しを題材とした作品である。直接的には、さだの母方の従兄が水難事故で亡くなってしまったときの精霊流しの思い出がモチーフになっていおり、このエピソードについては、「親父の一番長い日」のB面である「椎の実のママへ」でも歌われている。
さだはこの作品で、第16回日本レコード大賞作詩賞を受賞している。この受賞に対して「幼いころから音楽教育を受けていたので作曲賞を受けるのはわかる気がするが、我流で始めた作詞で賞を受けるのは意外であり、その分うれしさも大きい」という主旨の発言をしている。
発売当初は売れ行きが伸びなかったが、東海ラジオ元アナウンサーの蟹江篤子が自分の担当する『ミッドナイト東海』で毎週のように流し続けたところ、徐々に人気が上がり始め、中京地区からヒットする形で全国へ広がっていった。
上記のような事情から、リリースされて4か月あまり経ってオリコンの10位以内に初登場した。「ふれあい」(
中村雅俊)に次いで2位まで上昇した。グレープは1976年のアルバム『
グレープ・ライブ 三年坂』も2位まで上昇しているがオリコンでの1位獲得はならなかった。なお、さだがオリコンで1位を初めて獲得したのはソロ・デビュー後の「雨やどり」である。
初回プレスは4500枚だったが、累計では130万枚を売り上げた。シングル売上は95万枚とする記事もある。
グレープ時代のシングル・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョン(『
わすれもの』収録)とは別テイクであり、アルバムには曲名にもなった「精霊流し」の喧騒の雰囲気が伝わる爆竹の破裂音、鉦鼓の音などのSEがイントロ前及びアウトロに挿入されている。
「精霊流し」 歌詞