とんねるず--『雨の西麻布』『
雨の西麻布』 1985年9月5日発売
とんねるずの5枚目のシングル
作詞:秋元康/作曲:見岳章/編曲:高田弘
秋元康曰く、「雨の新宿」等々、有名な街であればそういった曲はいくらでもあったため、あまり有名ではない街で名付けたかった。
そのため、元々は「雨の亀戸」だった。
しかし発売前の打ち合わせで狙い過ぎの名前と言われ、検討した結果、西麻布であれば、ある一定以上の年齢の人は「ああ、かすみちょう(現在の西麻布一丁目と三丁目の一部)ね」という感覚があることもあり、西麻布となった。
この「
雨の西麻布」のイントロや曲中の
石橋と
木梨の語りにもあるように、この曲を秋元康から貰った際、彼ら2人は紅白歌合戦という大舞台に立つことを本気で目指し始める。
「紅白を」「狙います」とはしていたものの、当時のマスコミからは、NHKに歌手として出演するのに不可欠な「NHKのオーディションに未だ合格していない」との指摘がなされていた。
石橋が後年語ったところでは、2人がNHKのオーディションを受けようとした際、当初は売出し中だった「やぶさかでない」を唄おうと考えていたが、懇意になっていた美空ひばりに相談したところ、「『
雨の西麻布』の方がいい」というアドバイスがあった。
それを受けて本曲を唄ってオーディションを通過したという。
これ以降2人はバラエティーを中心に積極的にNHKのテレビ番組にも出演、そして1991年に「情けねぇ」のヒットで念願の紅白出場を果たしたのだった。
曲の最後に「双子のリリーズ」と言っているのは、演歌(とセリフの中でも称してるが実際はムード歌謡)を真面目に歌う
とんねるずにスタッフの惜しい気持ちから「お笑い性を少しだけだそう」ということで、このフレーズを言わせたという逸話を、秋元康が「とんねるずのオールナイトニッポン」で語っている。
この「
雨の西麻布」は2種類のヴァージョンが存在する。
「アーリー・ベスト・オブ・とんねるず」にオリジナル・ヴァージョンとして収録されているものは、演奏する楽器の違うヴァージョンである。
また、シングル・ヴァージョンでは内山田洋とクール・ファイブがコーラスで参加している。
「雨の西麻布」歌詞